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ゴムゾーリで漕いだ! 歩いた!
無手勝流チャリ旅
『北海道の輪郭をなぞる旅 』後編
04.7.27〜8.19(7/26出発 8/20帰着)
[11日目]
8/6 天塩〜稚内〜猿払(道の駅キャンプ場)200円
142.9km 1,320.3km
さてさてサロベツ原野である。クルマで走ったことがあるが、そーとー退屈したもんだ。チャリではどうなんだろう。なにしろ60数kmに渡り、なぁんにもない。人の気配もない、電信柱もない、クルマもまばらだ。あるのは整然と立ち並んだ何十基もの風力発電用の風車だけである。しかし、心配していた風はなくすんばらしい青空だ。海に浮かぶ利尻富士の姿がよく見える。稚内まであと20kmぐらいの地点で一人のワカゾーに出会った。札幌と手書きした紙を掲げたヒッチハイカー。チャリで近付き大真面目な顔して、乗るかい? というと彼は「でも、ああ、ううう」と口ごもり、数秒後二人で大笑い。ヒッチすんなら国道かトラックターミナルへ行けといったら、はじめて捕まえたクルマがこの内陸にある豊富町へ向かうクルマだったので、ここで降ろされたという。礼文島帰りらしい。乗るクルマを間違えとる。ちとアドバイス。この地点で行き先が札幌はないぜ、ここを走るクルマが必ず通過する(だろう)天塩か遠別あたりにカンバンを書き直せ。乗用車より一人運転のトラックを狙え。なかなか停まらないようだったら、ちと強引だが道の真ん中に立ってアピールしろ。ま、こんなとこである。なにしろ昔むかし、おれはヒッチでヨーロッパ8カ国を駈け廻った筋金入りだ。がんばれワカゾー。
[12日目]
8/7 猿払〜枝幸〜興部(道の駅トレインハウス)無料
136.5km 1,456.8km
この頃、ふと思う。こういう旅を続けていると昨日のことがなかなか思い出せないのだ。一昨日のことなんか過去の彼方だ。へたすると今朝どっからスタートしたんだか、その日の夕方頃あいまいになるようなことさえある。次々に新しい出来事が生まれ、続々と新しい出合いがあるんだから当然といえば当然か。メモは欠かせないが、書き留めることを怠った出来事もうんとある。こんなことを考えながら走って道の駅(マリーンアイランド岡島)に着く。ちょい遅れてチャリダーが入ってきた。静岡発日本一周中の磯辺くん。チャリにへんてこな楽器らしきものがくくりつけられてある。聞くとカンカラ三線(かんからさんしん)といい、沖縄民謡の弾き手から教えてもらい手作りした三線だという。弾いてみてくれというと「いいっすよ」と沖縄民謡を奏でだした。へぇぇ、たいしたもんだ。沖縄から北海道までずっと稽古しながら旅を続けているという。「先日、稚内のラジオに出て弾いて歌っちゃいました」という。友人がへんな日本一周さんということで夜の若者番組に推薦したらしい。おもしれーな。
[13日目]
8/8 興部〜湧別〜網走(呼人浦キャンプ場)無料
138.6km 1,595.5km
結局、ほとんど眠れないで夜が明けた。竹下くんも眠れなかったようだ。「おとーさん、無神経ってのもチャリダーの条件だとしたらおれたち失格っすね。デリケート過ぎる」という。ほんとにそうだな。それぞれ逆方向へ、同時に出発進行。今朝も朝日がきれいだ。日本海側では山から、ここオホーツク海側では海から日が昇る。北海道を走っていることを実感する。清々しい朝だが寝不足は致命的だ。やっぱ走りながらも眠くなる。前にも一度経験しているが今回はハンパじゃない。チャリの居眠り運転なんて信じられないかもしれないが、ほんとにあるのだ。湧別(ゆうべつ)あたりで強烈な眠気が襲い、危うく道路下へ転落しそうになる。こりゃヤバイと近くのバス停(北海道のバス停は小屋作りになっていて扉や窓や中にはベンチまである)を借りて仮眠する。サロマ湖の湖畔沿いの窪地でもひと眠りしようと思ったが、クマ出没注意の看板があり7月22日目撃情報アリと手書きされてる。リアル!! こんな所で昼寝なんぞしていられない。そそくさと漕ぎだす。

[14日目]
8/9 網走〜知床峠〜羅臼(羅臼町営キャンプ場)無料
120.7km 1,716.2km
今日、知床峠を越えるかどーか、はっきり決めないままスタートする。でも起きがけにとりあえず峠越えに備えてチェーンにオイルを吹きかけブレーキを調整をした。10時前、オシンコシンの滝に到着。駐車場は観光バスで満タン状態だ。とミニベロにトレーラーを付けたチャリを発見。おれが熱心に見てると外人が現れた。彼に日本語は何も通じない。おれに英語はほとんど通じない。けど、これはアメリカ製でスーツケースをそのまま取り付けられてグーだと、ここまでは理解できた。トレーラーの取り付け位置がダウンチューブの中途半端なところにあり、こんなんで耐久性はどうなんだろ。案の定、知床峠はパスだという。おれはウトロで作戦タイム。観光案内所でまず天気予報を聞く。キャンプ場の情報も仕入れる。今日明日とも知床は晴れ、キャンプ場と風呂は有料。峠を越えた羅臼の方が条件はいい。めざす北海道一筆書きの旅からちと外れるが、知床五湖には行きたいな。けど、この道はチャリダーの間でパンク街道とも呼ばれている。ダートであり、ホタテの殻を砕いたものがまいてあり、パンク覚悟で走ることになる。網走からここまで既に80km走っているが、一気に知床峠を越えようと決める。
[15日目]
8/10 羅臼〜標津〜根室(RHインディアンサマーカンパニー)1,000円
150.4km 1,866.6km
朝一、テントを出ると仰天である。テントとテントの隙間で1頭の大鹿が草をはんでいる。カメラを持って近付いても逃げない。野性の王国である。北海道のキャンプ場に慣れたら富士の周辺なんて屁だな。すごすぎる。今日は朝の体調次第で行動予定を決めようと思っていた。峠越えの後遺症があるようだったら連泊しようと思っていた。天気予報は明日からくずれるというし、脚もまずまずだ。今日も行動を決定する。霧である。標津(しべつ)に入った頃、3頭の親子鹿が霧にかすむ国道に現れた。幻想的。カメラを取り出したが、対向車線から車の音が聞こえ、逃げちった。惜しい、いい絵だったなぁ。別海あたりは、この旅で1、2という殺風景な風景が続く。家もない、店もない、牛は点景で見えるが人なんかいない。あるのは樹海と規則的に現れるアップダウンとおれの影だけである。時折すれ違うライダーもよほど暇とみえて、オーバーなアクションでがんばれサインをおくってくる。他のチャリには全く出会わない。えっさ、えっさ、えっさほいさっさ、おやじのチャリ乗り、ほいさっさ・・・を歌うのも飽きてくる。ボロぉは着ぃててもぉ心の錦ぃ、どんな花よりきれいだぜぇぇ、この夏は二度ない(若いときゃ二度ない)、どぉんとやれ、おぉやじぃなぁらぁぁぁぁぁ(男なら)、人のやらない(やれない)ことをやれぇぇぇ・・・も飽きてくる。
[16日目]
8/11 根室〜納沙布岬〜浜中(霧多布岬キャンプ場)無料
125.8km 1,992.4km
◆北海道の輪郭をなぞるには、根室から国道を離れ、道道(どうどう)に乗り、落石(おちいし)から浜中町へ出るのが正しい。おれのこだわりである。道道は寂しい。落石から先、一体何kmくらいだろう、走ることほぼ半日、全く店がないのである。久しぶりにハンガーノックかと思ったぜ。 ◆大学のサークルだろうか、一列縦隊で整然と走る10台のチャリとすれ違う。みんなガッツポーズ、しんがりのリーダーだけが「がばってくださぁい」と声をかける。おれは若ぶってサンキュュウゥゥゥと答える。こういうワカゾーっていいじゃん。 ◆朝、あんなに天気がよかったのに降ってきた。この旅で、防寒用としてでなく本来の用途としてはじめてレインウエアの上下を着る。レインウエアとザックカバーの完全防備、足元は相変わらずのゴムゾーリ。なんか妙な格好だな。着込んで走り出したら、霧多布岬まで34kmの標識。ほんとかよぉ。この雨足ではキツイな。 ◆たっぷり30分、雨に叩かれた。で止んだ。よかった。寒かった。 ◆浜中町で小さなスーパーもどきに立ち寄る。コメはない。霧多布にコンビニがあるとの情報。ようやく救いの神セイコーマートを発見した。ところが、弁当の類いは一切売り切れ状態。店員に何時頃入荷するのか聞くと、店内で調理してるチャーハンがあと15分でできるという。アイスクリームを2個食いながら待つことにする。 ◆食料はたんまり用意できた。キャンプ場は無料の上、珍しくゴミの分別集積所まであるではないか。浜中町の街興し作戦バンザイ。
[17日目]
8/12 浜中〜厚岸〜釧路(民宿 銀鱗荘)1,000円
115.0km 2,107.4km
◆釧路には昼過ぎに着くが、今日は天気とは別の意味での緊急避難だ。もう着るものがない。洗濯をしなくっちゃ。で、民宿 銀鱗荘泊とする。 ◆ここのシステムはユニークだ。まず素泊まりが千円、おばちゃんに払う。洗濯機を使う、200円払う。乾燥機を使う200円払う。すべてこの調子だ。わかりやすくていい。 ◆ライダー3人と同じ部屋である。沼津のライダーがチャリに興味を示す。時々、こういう輩がいる。ライダー100人に一人くらい。ま、絶滅寸前の稀少動物だな。 ◆夜、4バッグ全てはずして街中へ飯を食いに出かける。この旅で空荷のチャリに乗るのははじめてだ。軽いなんてもんじゃない。軽すぎてハンドルがふらふらする。でも、これだったら知床峠越えもラクショーだな。負け惜しみである。 ◆釧路の繁華街は東京に似ている。なんか知ってる街を徘徊してるような気分だ。魚が旨いというし、貝類は大好物だ。が、チャリで旅してるとついつい肉に目がいってしまう。肉体労働者のサガか。でモォモォの鉄板焼きを選び、デザートにラーメンで締めくくる。ようやくチャリの燃料も満タンになった。
[18日目]
8/13 釧路〜浦幌〜大樹(晩成温泉キャンプ場)200円
128.0km 2,235.5km
◆浦幌(うらほろ)の峠を越えた所でコンビニに寄る。2バッグを積んだ1台のチャリが停まっている。おれはとっとと食料を買い込みチャリに積み込んでいると、そのチャリの主が出てきた。話す。近くのキャンプ場からの出発らしい。お寝坊の若者らしく今日は9時半出発という。若いうちはいくらでも眠れるものなんだ。お互い同じキャンプ場をめざしている。若いんだから、そのうちおれに追い付くだろうといい、先に出発する。 ◆豊頃(とよころ)の峠を登りきった所で大休止。おれのクセだ。一度ダレて、この後、夕方までピッチが上がる。先ほどのワカゾー萩原くんが追い付いて来た。んじゃ、一緒に晩成温泉まで走るべえ。この温泉は6kmばかり国道を離れ海岸に出る。チャリダーにとって6kmも本来のコースを外れるのは痛手だがしょーがない。 ◆立派過ぎる施設群はクセモノだ。温泉があり、研修施設のようなものがあり、きれいなオートキャンプ場があり、海岸にやっとふつーのキャンプ場がある。砂地はヤだな。一番手前のちと情けない草地にテントを設営する。 ◆萩原くんと温泉に浸かり、テントに戻ると雨が降ってきた。天気予報がズレてるぜ。 ◆東京農大の網走校で学ぶ萩原くん。網走発の時計廻り北海道一周くんだ。チャリで帰郷(群馬まで)するか北海道を一周するか迷った末の結論がコレだという。いい個(子)だ。見上げたもんだ。 ◆萩原くんのテントがちと気になる。なんかシェルターというかツェルトというか、サイドとボトムが分割してるタイプだ、ありゃ激しい雨だと浸水するぞ。 ◆おれのテントのフライは今じゃ目止めシールが全部剥がれてしまっている。本降りになったらこっちも心配だな、などと考え、軽く飲んでたらそのまんま寝入ってしまった。
[19日目]
8/14 大樹〜えりも岬〜三石(道の駅ゲリラキャンプ)無料
154.2km 2,389.6km
◆大樹(たいき)町から走り出してわりとすぐ歴舟川を渡る。日本一の清流といわれているが当たり前だ。人の気配なんぞ全く感じられない。上流部でクマが顔を洗うぐらいのもんだろうから水が澄んでるに決まってる。カヌーツーリスト憧れの川だ。 ◆えりも岬を抜けて間もなく、苫小牧まで180kmの
標識。懐かしい地名だ。おれのゴールだ。今日はまだまだ走る。明日にもおれの旅は完結できるだろう。 ◆浦河(うらかわ)町で札幌の知人菅原さんに電話する。19日夕便のフェリーの仮予約がとれていたので、それまでの3日間札幌でチンタラし栄養補給だ。4kg体重が落ちてる。 ◆えりも町と様似(さまに)の間、たいした風でもないのに国道にまで波しぶきが上がってる。おれも軽くひと波浴びた。ちょいと海が荒れたら一体どういうことになるか、なぜこんな海に近い所に道路を作ったのか。 ◆三石(みついし)の寸前、風にあおられてチャリごとワイヤ製のガードレールにぶつかる。5m下は波が岩に体当たりをかましてる。転倒はごめんだ。転落は勘弁してくれい。 ◆今日の目的地である三石の道の駅5時30分着。150kmを越える走りとなった。ちと疲れた。 ◆キャンプ場申し込みをするがオートキャンプ優先で本日は満杯とのこと。この先にキャンプ場はない、のに。いかにもお役所的対応である。ならばと道の駅のはずれに黙々とテントを設営してしまう。超ゲリラキャンプである。おれを見ていたライダーたちもつられてテントを広げ出す。アッという間に8張りのプチテント村ができ上がる。駐車していた札幌ナンバーのキャンピングカーのご夫婦も「いいんだよ、いいんだよ、このくらい大目にみてもらわなくっちゃ」と完璧なチャリダー&ライダー応援体制。来た。萩原くんが到着した。6時30分、日が落ちる寸前だ。待ってたぜ。 萩原くんも素早くテントを張る。キャンピングカーから二人にタラバの脚2本の差し入れ。ゴール前祝いとするか。 ◆おれの旅も明日中には目的を達することができる。とりあえず重宝した0円マップを萩原くんに譲る。昨日ろくに話せないまま寝てしまったので、しばし歓談する。
[20日目]
8/15 三石〜新冠〜苫小牧
115.8km 2,505.5km(北海道外周走行距離)
苫小牧〜千歳(ちとせライダーハウス)1,000円
29.5km 2,535.0km
◆苫小牧に入った。黒い雲が上空を覆ってきた。逃げよう。この道路下に必ずトンネルがあるはずだ。セーフ!! ひと粒も雨に当たることなく工事用車両専用トンネルに避難できた。もはや動物的カンというか野性の血というかギラギラに研ぎすまされている。 ◆雷にはド肝を抜かれる。ゴロゴロドッカァァンが真横から響いてきた。 ◆小1時間ほどで雨もおとなしくなってきた。フェリーターミナルまでひとっ走り、と思ってたが苫小牧の街はだだっ広い。8kmくらいあったか。半濡れ状態でおれのスタート地点となったフェリーターミナルに入った。20日目のゴールだ。 記念の雄叫び写真を撮る。 ◆さ、どうするか。ここで天気予報を聞き、場合によってはターミナルで萩原くん共々ビバークを考えていたが、仮眠禁止の貼り紙があり断念する。 ◆室蘭街道に戻り、萩原くんと握手してお別れ。 ◆最後の3日間、決してべたべたではなく付かず離れず過ごしたワカゾー萩原くん。旅、あるいはチャリを重ねると世代を超えて話もできる。一期一会というけれど、おれはこのワカゾーとの再会をマジに願っている。
◆萩原くんは白老キャンプ場へ。おれは明日の札幌入りを考えて千歳のライダーハウスをめざす。本降りとなってきた。でも、レインウエアは上だけでつっ走る。ひとつの区切りがついた後だけに気分も軽い。 ◆ちとせライダーハウスに到着すると「わ、また会いましたね」とライダー。銀鱗荘で話した元自衛隊員くん。今日ゴールした、というと「おめでとうございます」と頭を下げられた。素直に嬉しい。 ◆夜、湯上がりライダーくん8人とライダーハウスのおばちゃんとで祝杯を挙げる。今日まで集中的に履いてた七分パンツは洗濯してもとても汚れがとれそうもないホームレス状態、ここできっぱりお役御免とする。
[21日目]
8/16 千歳〜札幌 真駒内(菅原氏工房)
54.9km 2,589.9km
◆菅原さんに会うのは3年ぶり。相変わらずのキャラクターにホッとする。 ◆19日まで工房の床を拝借することになる。 ◆明日はメェメェを食うと決めている。夕食はモォモォを食う。ちとコンビニ弁当拒否症にかかってる。
[22日目]
8/17 真駒内〜札幌市内ポタリング(菅原氏工房)
39.6km 2,629.6km
◆札幌市内でコケた。サイドバックを右フロント1個付けて走っていたのだが、停めてあるチャリに引っかけ見事な転倒。油断するとこうだもんなぁ。ツーリーグ中でなくてよかったぜ。 ◆そういえば、大通り公園で大阪発の日本一周くんに会った。これで4人目だな。北海道はこれからだというので9月1週までに終わらせた方がいいと北の先輩(おれ)としてアドバイス。北海道は急に寒くなるぜ。
[23日目]
8/18 真駒内〜札幌市内ポタリング(菅原氏工房)
52.0km 2,681.6km
◆街中で札幌ラーメンの名店Tを発見。デザート代わりにやっつける。 ◆チャリで札幌をうろうろしていて思うこと。街はこのくらいのサイズがいいな。その気になれば、チャリでどこへでも行ける。東京がますます嫌いになる。恐くなる。遠くなる。
[24日目]
8/19 真駒内〜支笏湖〜苫小牧(商船三井フェリー)
73.7km 2,755.3km(道内総走行距離)
3晩お世話になった菅原さんに昨夜お礼をいった。8時半、真駒内を出発し苫小牧をめざす。支笏湖まではけっこー登りもあるが、国道と併行した自転車専用道(滝野上野幌自転車道)だからストレスがない。この道を最後の最後に選んでほんとによかった。支笏湖への長い下りは知床峠の次くらいに気持ちがいい。50kmを超えるダウンヒルは当分体験できそうもないな。4回ほどすれ違うチャリダーとがんばれサインを交換する。これも今日が最後だ。登りはそう感じないが、下りになると汗が一気に冷えて肌寒い。長袖シャツでこれである。支笏湖を離れ、276号を辿り苫小牧へと向かう。またまた自転車専用道である。ここは国道のすぐ横を併走するのではなく、やや奥に入った感じで緑のトンネルを行く。
◆苫小牧フェリーターミナルで発券を待つ間、商船三井の係員がカウンター前面に注意書きのようなものを貼る。台風15号の影響で航海中の荒天が予想される、大洗到着が大幅に遅れることもある、とのこと。了解。台風から逃れるように北海道を後にすることになった。おれのチャリ旅は終わった。